生前葬のやり方・費用相場・流れを解説!準備の方法と家族への伝え方

生前葬のやり方・費用相場・流れを解説 お葬式

「自分が元気なうちに、お世話になった人たちへ直接『ありがとう』を伝えたい」
「形式ばったお葬式ではなく、自分らしい明るい形でお別れをしたい」

近年、このように考える方が増え、「生前葬」という選択肢が注目されています。生前葬は、本人が生きているうちに開催する葬儀や告別式のこと。しんみりとしたお別れではなく、感謝を伝える「パーティー」や「集い」として、自由な形式で行えるのが最大の魅力です。

しかし、いざ「自分も生前葬をやりたい」と思っても、

「具体的に何から始めればいいの?」
「費用はどれくらいかかるんだろう?」
「当日の流れはどうなるの?」

といった疑問や不安が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。また、「家族や親戚にどう説明すれば理解してもらえるか」と悩む方も少なくありません。

この記事では、生前葬を検討している方に向けて、具体的な方法(スタイル)、費用の相場と内訳、準備から当日までの流れ、そして後悔しないための家族への伝え方まで、網羅的に解説します。


この記事でわかること

  • 生前葬の主な3つのスタイル(方法)と自分に合う選び方
  • 費用の相場(20万円~100万円超)と、会場費・飲食費などの具体的な内訳
  • 準備開始から当日までの「やることリスト」を時系列(流れ)で解説
  • 家族の理解を得るための「上手な伝え方」と注意点

  1. 生前葬の具体的な方法・費用・流れの全知識
    1. 生前葬とは?メリットとデメリット
      1. メリット
      2. デメリット
    2. 生前葬、どんなスタイルがある?主な3つの形式
      1. 1. パーティー・会食形式(最もポピュラー)
      2. 2. セレモニー・式典形式
      3. 3. 趣味の発表会・展示会形式
    3. 【費用】相場はいくら?内訳と節約のコツ
      1. 費用の内訳(例)
    4. 【流れ】準備から当日までの具体的なステップ
      1. 1. 家族への相談・同意(最重要)
      2. 2. 生前葬のコンセプトと形式の決定(半年前~)
      3. 3. 日時・場所・予算の決定
      4. 4. 招待客リストの作成(3ヶ月前~)
      5. 5. 葬儀社・専門業者への相談・見積もり
      6. 6. 当日のプログラム・演出の決定(2ヶ月前~)
      7. 7. 案内状の作成・発送(1~2ヶ月前)
      8. 8. 当日の最終準備(1週間前~前日)
      9. 9. 生前葬 当日
    5. 後悔しないために最も重要な「家族への伝え方」
      1. なぜ生前葬をしたいのか、理由を明確に伝える
      2. 伝えるタイミング
      3. 死後の葬儀についても話し合う
  2. 生前葬の実際の評価:やって良かったかどうか
    1. 高い評価の場合(やってよかった点)
      1. 感謝を直接伝えられる(最大のメリット)
      2. 形式にとらわれない「明るい会」にできる
      3. 本人の「やりきった感」と精神的な安心
    2. 否定的な評価・現実的な課題(難しい点)
      1. 家族・親族の理解を得るのが非常に難しい
      2. 結局「二度手間」になり、負担が増える
      3. 参列者が戸惑う(服装、香典など)
      4. まとめ
  3. 【まとめ】生前葬の方法・費用・流れを理解し、あなたらしい感謝の場を

生前葬の具体的な方法・費用・流れの全知識

「生前葬」と一口に言っても、その方法(スタイル)は様々です。

まずは、生前葬とはどのようなものか、そのメリットとデメリットを理解し、自分に合ったスタイルを見つけることから始めましょう。

生前葬とは?メリットとデメリット

生前葬は、本人が主体となって開催する「人生の感謝祭」のようなものです。従来の葬儀とは異なり、宗教的な儀式に縛られず、自由な発想で内容を決められるのが特徴です。

メリット

直接感謝を伝えられる: 元気なうちに、自分の口から家族や友人、お世話になった方々へ感謝の言葉を伝えられます。

自分らしい演出ができる: 趣味の作品を展示したり、好きな音楽を流したり、思い出の食事を振る舞ったりと、オリジナリティ溢れる会にできます。

残される家族の負担軽減: 葬儀の形式や内容を自分で決めておくことで、死後に家族が悩む負担(精神的・金銭的)を減らせます。

人間関係の整理: 会を通じて、自分の人生を振り返り、人間関係を再確認するきっかけになります。

デメリット

家族や親族の理解: 「縁起でもない」「亡くなってから葬儀をするのが当たり前」と考える方もおり、理解を得るのが難しい場合があります。

費用が二重にかかる可能性: 生前葬を行った後、亡くなった際に改めて「火葬」や「納骨」が必要となり、そのための費用が別途発生します。(本葬を簡素化することでトータル費用を抑えることは可能です)

参列者の戸惑い: 生前葬に馴染みがない方にとっては、「どのような服装で行けばいいか」「香典は必要なのか」と戸惑わせてしまう可能性があります。


生前葬、どんなスタイルがある?主な3つの形式

生前葬、どんなスタイルがある?主な3つの形式

生前葬に決まった「方法」はありません。あなたの希望に合わせて、自由にスタイルを選べます。ここでは代表的な3つの形式をご紹介します。

1. パーティー・会食形式(最もポピュラー)

ホテルの宴会場やレストランを貸し切り、立食または着席形式で飲食を楽しむスタイルです。

特徴: 明るく、和やかな雰囲気が作りやすいのが特徴です。スピーチや余興、思い出のVTR上映などを盛り込むことで、参加者との交流を深められます。

おすすめな人: 多くの友人を招き、楽しく感謝を伝えたい人。

2. セレモニー・式典形式

従来の葬儀・告別式のように、一定の式次第に沿って進行するスタイルです。

特徴: 本人による挨拶(感謝の言葉)、経歴紹介、指名献花など、厳かな要素を取り入れつつ、宗教色を排した「人前式」のように行うことが多いです。けじめをつけたい場合に適しています。

おすすめな人: 形式を重んじる親族にも配慮しつつ、きちんと「お別れ(と感謝)」の場を設けたい人。

3. 趣味の発表会・展示会形式

ご自身の趣味(絵画、写真、書道、音楽演奏など)の作品を展示したり、発表したりする場を設けるスタイルです。

特徴: 「自分の生きてきた証」を作品を通して伝えられます。カフェギャラリーや小規模なホールを会場にすることが多いです。

おすすめな人: 趣味やライフワークに情熱を注いできた人。


【費用】相場はいくら?内訳と節約のコツ

生前葬の費用は、招待する人数や会場、内容によって大きく変動します。

  • 費用相場: 約20万円 ~ 100万円以上
  • 小規模(20~30名程度): 20万円~50万円
  • 中規模(50~100名程度): 50万円~100万円
  • 大規模(100名以上): 100万円以上

費用の大部分を占めるのは「会場費」と「飲食費」です。以下に主な費用の内訳と、節約のコツをまとめます。

費用の内訳(例)

項目内容費用目安(50名の場合)節約のコツ
会場費ホテル宴会場、レストラン、葬儀場のホールなど5万円~20万円公共施設や公民館を利用すると大幅に抑えられる。
飲食費料理(コース/ビュッフェ)、飲み物25万円~50万円 (一人5千円~1万円)料理のランクを見直す。ケータリングサービスを利用する。
返礼品費参列者への手土産(記念品)10万円~25万円 (一人2千円~5千円)無理に高価なものにせず、お菓子やオリジナルの記念品にする。
演出・装飾費祭壇(花)、音響、映像制作、司会者依頼料5万円~30万円映像やBGMは自作する。司会を友人に依頼する。
案内状費招待状の印刷・郵送費1万円~3万円Web招待状を活用する。

【注意点】会費制にするか?香典は辞退するか?

費用負担を減らすため、パーティー形式の場合は「会費制」(1人1万円~2万円程度)にするケースも多いです。その場合、香典(お悔やみではないため「御香典」は不適切)は明確に辞退する旨を案内状に記載しましょう。


【流れ】準備から当日までの具体的なステップ

生前葬の開催を決めたら、計画的に準備を進める必要があります。当日の流れをスムーズにするため、半年前から準備を始めるのが理想です。

1. 家族への相談・同意(最重要)

まずは家族に生前葬をしたい理由(「直接感謝を伝えたい」「家族に負担をかけたくない」など)を誠実に話します。

反対された場合も感情的にならず、なぜそう思うのかを話し合い、理解を得る努力を続けます。(詳細は次章)

2. 生前葬のコンセプトと形式の決定(半年前~)

「誰に」「何を伝えたいか」という会の目的(コンセプト)を明確にします。

パーティー形式、セレモニー形式など、コンセプトに合ったスタイルを決定します。

3. 日時・場所・予算の決定

大まかな予算を決めます。

参列者が集まりやすい日時(土日祝の昼間など)を候補に挙げます。

スタイルと人数に合った会場(ホテル、レストラン、葬儀場など)を探し、仮押さえします。

4. 招待客リストの作成(3ヶ月前~)

必ず呼びたい人をリストアップします。親族、友人、仕事関係など、どこまでの範囲を呼ぶかを明確にします。

5. 葬儀社・専門業者への相談・見積もり

自分たちでの準備が難しい場合、生前葬プランを持つ葬儀社やイベント会社に相談します。

複数の業者から見積もりを取り、内容と費用を比較検討します。

6. 当日のプログラム・演出の決定(2ヶ月前~)

  • 司会者、スピーチの依頼。
  • 食事や飲み物の内容。
  • 流したい音楽、上映したい映像(VTR)。
  • 返礼品(記念品)の選定。

7. 案内状の作成・発送(1~2ヶ月前)

日時、場所、会費制の有無、服装の指定(「平服でお越しください」など)、香典辞退の旨を明記します。

8. 当日の最終準備(1週間前~前日)

  • 司会者やスピーチ担当者との最終打ち合わせ。
  • 会場スタッフとの進行確認。
  • スピーチ原稿、謝礼(司会者など)の準備。
  • 返礼品の確認。

9. 生前葬 当日

当日はホストとして、参列者一人ひとりへの感謝の気持ちを忘れずに、会を楽しみましょう。

体調管理に気を付け、無理のないスケジュールを組むことが大切です。


後悔しないために最も重要な「家族への伝え方」

生前葬を成功させるために、方法、費用、流れの計画と同じくらい重要なのが、家族の理解です。

「生前葬」という言葉に、家族が「縁起でもない」「お葬式は亡くなってからするもの」と抵抗を感じるケースは少なくありません。

なぜ生前葬をしたいのか、理由を明確に伝える

  • NG例: 「俺の葬式は俺が決める!」「流行ってるからやりたい」
  • OK例: 「自分が元気なうちに、お世話になった〇〇さんや△△さんにも、直接お礼を言いたいんだ」
  • OK例: 「自分が亡くなった後、葬儀のことでお前たち(子供たち)に金銭的・精神的な負担をかけたくない。だから、自分できちんと準備しておきたい」

「感謝を伝えたい」「負担を減らしたい」というポジティブな理由や、家族を思いやる気持ちを伝えることが、理解を得るための第一歩です。

伝えるタイミング

体調が万全で、家族が冷静に話を聞けるタイミングを選びましょう。いきなり「生前葬をやることに決めた」と事後報告するのではなく、「相談があるんだけど」と切り出すのが賢明です。

死後の葬儀についても話し合う

生前葬はあくまで「生きているうちの感謝の会」です。亡くなった後の「火葬」や「納骨」は別途必要になります。

「生前葬をしたから、亡くなった後は何もしなくていい」と決めるのではなく、「亡くなった後は、家族だけで静かに火葬だけしてほしい」など、死後の希望についても併せて伝えておくことで、家族の不安を取り除くことができます。

生前葬の実際の評価:やって良かったかどうか

これは、「誰の視点から見るか」によって、評価が大きく分かれるのが現実です。

「本人が開催してよかった」というポジティブな声がある一方で、「家族が困惑した」「かえって負担が増えた」というネガティブな声も存在します。

実際の評価としてよく聞かれる「良い点」と「難しい点」をまとめました。


高い評価の場合(やってよかった点)

生前葬を主催したご本人や、その趣旨に賛同した参列者からは、非常に高い評価が聞かれます。

感謝を直接伝えられる(最大のメリット)

これが生前葬を行う最大の動機であり、最高の評価ポイントです。通常の葬儀では言えない「ありがとう」を、本人が元気なうちに自分の言葉で、一人ひとりの顔を見て伝えられます。参列者にとっても、故人(まだ生きていますが)と直接話せる最後の貴重な機会となります。

形式にとらわれない「明るい会」にできる

従来の「湿っぽい(しめっぽい)」お葬式ではなく、ホテルのパーティ形式、立食パーティ、趣味の発表会、ライブなど、本人の希望通りの自由な形式で「明るく楽しい会」にできる点を評価する声が非常に多いです。宗教色をなくせるため、無宗教の方にも選ばれています。

本人の「やりきった感」と精神的な安心

「自分の最後を自分でプロデュースできた」「会いたい人に会えた」という満足感、やりきった感が得られます。また、「死後、家族に金銭的・精神的な負担をかけたくない」という思いから、自分で準備・支払いまで済ませることで、安心して余生を過ごせるという精神的なメリットもあります。


否定的な評価・現実的な課題(難しい点)

一方で、特にご家族や親族の視点からは、ネガティブな評価や「現実的な問題」が指摘されています。

家族・親族の理解を得るのが非常に難しい

これが最大のハードルです。特に年配のご親族などからは「生きているうちから葬式なんて、縁起でもない」「不謹慎だ」という強い抵抗感(アレルギー)が出ることが非常に多いのが実情です。

本人が良くても、周囲の反対を押し切って開催すると、家族間にしこりが残るケースがあります。

結局「二度手間」になり、負担が増える

これは非常に現実的な問題です。生前葬はあくまで「本人が主催する感謝の会(パーティ)」であり、亡くなった後の「遺族のための弔いの儀式(お別れの会)」とは別物と捉えられることが多いのです。

本人の認識: これで葬儀は終わり。

遺族の認識: 生前葬は済んだけど、亡くなった後、火葬や納骨、親族への対応のために、結局「家族葬」や「直葬(火葬式)」を別途行う必要がある。

結果として、生前葬の費用+亡くなった後の葬儀費用で、トータルの金銭的・時間的負担が減るどころか増えてしまった、というケースは少なくありません。

参列者が戸惑う(服装、香典など)

生前葬に馴染みがないため、招待された側が「どのような服装で行けばいいのか(喪服?平服?)」「香典(ご祝儀?)は必要なのか」と非常に戸惑います。主催者側が「会費制のパーティです」「平服でお越しください」と明確に案内しないと、混乱を招きます。

まとめ

生前葬の「実際の評価」は、「本人」の満足度は非常に高い一方で、「家族・親族」の理解を得るのが難しく、死後に「二度手間」になるリスクを抱えている、という二面性があります。

生前葬を「やってよかった」と評価されるものにするためには、いかに事前にご家族や近しい親族と「なぜやりたいのか」を深く話し合い、亡くなった後の儀式(火葬や納骨)をどうするかまで具体的に決めておけるか、が鍵となります。

【まとめ】生前葬の方法・費用・流れを理解し、あなたらしい感謝の場を

生前葬は、「自分らしい最後」をプロデュースし、大切な人たちへ直接感謝を伝えるための素晴らしい方法です。

成功の鍵は、費用流れを具体的に計画すること、そして何よりも家族の理解を得ることです。

  • 方法(スタイル): パーティー形式、セレモニー形式など、自分の目的に合ったものを選びましょう。
  • 費用: 20万円~100万円以上と幅がありますが、内訳を理解し、会費制や会場選びで賢く調整できます。
  • 流れ(準備): 半年前から計画的に進め、特に家族との対話を最優先にしましょう。

生前葬には決まった形式がなく、ホテルのパーティ形式からレストランでの食事会、あるいは趣味の発表会まで、本人の希望を色濃く反映できるのが最大の魅力です。

しかし、その自由さゆえに、「誰を招待するのか」「どのようなプログラムにするか」といった事前の準備が成功の鍵を握ることもお伝えしました。

また、生前葬を成功させるために最も大切なハードルが、ご家族への伝え方です。なぜ自分が生前葬を行いたいのか、その背景にある想いや感謝の気持ちを丁寧に共有し、理解を得るプロセスが不可欠です。

本記事でご紹介した準備のステップや費用の目安を参考に、お世話になった方々への感謝を直接伝える、あなただけのポジティブな「人生の集大成」として、後悔のない生前葬を実現してください。