訃報を受けたものの、遠方であったり、体調や時勢、あるいは外せない都合があったりと、葬儀への参列が難しい場合があります。「故人への弔意を伝えたいのに、どうすれば…」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
近年、そうした悩みに応える形で「オンライン香典」の仕組みが急速に普及しています。
オンライン香典とは、スマートフォンやPCを使い、インターネット経由で香典をお送りできるサービスです。非常に便利な反面、「Webで香典を送るなんて失礼にあたらないか?」「どうやって送ればいいのか分からない」といった不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、オンライン香典の送り方について、具体的な手順、失礼にならないためのマナーや金額相場、注意点までを詳しく解説します。この新しい弔意の形を理解し、故人を偲ぶお気持ちをスムーズにお届けするための一助となれば幸いです。
この記事のポイント
- オンライン香典は、喪家が導入している時点で「失礼にはあたらない」選択肢である
- 送る側は「時間や場所を選ばず」、受け取る側は「管理が楽」という双方のメリットがある
- 送り方は「案内URL確認 → サイトで金額選択・決済 → メッセージ入力」の簡単3ステップ
- 金額相場は「通常の香典と同じ」だが、別途「システム利用料」がかかる場合がある
オンライン香典とは?新しい弔意の形

オンライン香典は、インターネット上で香典の受付から決済までを完結できる仕組みです。
これまでは、葬儀に参列できない場合、後日弔問するか、現金書留で郵送する、あるいは知人に預けるといった方法が一般的でした。
しかし、コロナ禍を経て非対面・非接触のニーズが高まったことや、家族葬の増加で「参列は辞退するが弔意は伝えたい」という需要が増えたことから、葬儀社や専門のIT企業が提供するサービスとして定着しつつあります。
喪家(遺族側)がオンライン香典の受付システムを導入し、その案内(URLなど)を訃報連絡とあわせて送ることで、会葬者はどこからでも弔意を伝えることが可能になります。
オンライン香典のメリット【送る側・受け取る側】
オンライン香典は、送る側(会葬者)と受け取る側(喪家)の双方に大きなメリットがあります。
利用の心理的なハードルになっている「失礼かもしれない」という不安は、むしろ「双方の負担を軽減する」という利点によって解消されます。
送る側(会葬者)のメリット
時間や場所を選ばない:24時間いつでも、どこからでも(海外からでも)香典を送ることができます。
現金や香典袋の準備が不要:「新札を避ける」「薄墨の筆ペンを用意する」といった、従来の香典準備の手間が一切かかりません。
クレジットカード決済が可能:手持ちの現金がなくても、クレジットカードやQRコード決済などでスマートに支払いが可能です。(ポイントが貯まる場合もあります)
弔電・メッセージを添えられる:多くのサービスでは、香典と同時にお悔やみのメッセージ(弔電)を送る機能が備わっています。
受け取る側(喪家)のメリット
香典の管理・集計が容易:「誰からいくら頂いたか」が自動でデータ化されるため、手作業での集計や管理の負担が激減します。
現金の取り扱いリスクがない:葬儀当日に多額の現金を管理する必要がなく、盗難や紛失のリスクがありません。
香典返しの手配がスムーズ:データ化された住所録をもとに、香典返し(返礼品)のリスト作成や配送手配をスムーズに行えます。
非対面・非接触での対応:弔問客への対応に追われることなく、故人とのお別れの時間(または葬儀後の諸手続き)に集中できます。
【3ステップ】オンライン香典の具体的な送り方

オンライン香典の送り方は、サービスによって多少の違いはありますが、基本的な流れは非常にシンプルです。ここでは、一般的な手順を3ステップで解説します。
Step 1. 喪家からの案内(URL)を確認する
まず、喪家(または葬儀社)からの訃報連絡(メール、LINE、SNS、あるいは紙の案内状)に、オンライン香典の受付専用URLが記載されているかを確認します。
(例)「香典は下記URLからも受け付けております」
注意点として、喪家がオンライン香典の仕組みを導入していない(案内がない)場合、こちらから勝手にオンラインサービスを探して送ることはできません。あくまで、喪家からの案内に従って利用するのが原則です。
Step 2. サイトにアクセスし、金額の選択と決済を行う
案内されたURLにアクセスすると、専用の受付ページが開きます。
- 送る方の情報を入力氏名、住所、連絡先などを入力します。(会員登録が必要な場合もあります)
- 香典の金額を選択プルダウンや選択肢から、お送りする香典の金額(例:3,000円、5,000円、10,000円など)を選びます。
- 決済方法を選択クレジットカード、銀行振込、QRコード決済など、対応している決済方法を選び、支払いを完了させます。
Step 3. お悔やみのメッセージ(弔電)を入力する
決済とあわせて、お悔やみのメッセージを入力する欄が設けられていることがほとんどです。
故人への想いや、参列できないことへのお詫びなどを簡潔に記入します。これは従来の弔電の役割も兼ねており、喪家にとって温かい慰めとなります。
オンライン香典のサービスを実施している葬儀社
オンライン香典のサービスは、特定の葬儀社が個別に開発しているケースもありますが、多くは専門のオンラインシステムを導入することで提供されています 。そのため、「どこの葬儀社」というよりは、「どのシステムを導入しているか」で判断するのが実情です 。
現在、多くの葬儀社で導入が進んでいる代表的なオンライン香典対応システムには、以下のようなものがあります。
主なオンライン香典対応システム
これらのシステムは、香典のクレジットカード決済だけでなく、供花や弔電の手配、追悼メッセージの送信といった機能を一括で提供しています 。
tsunagoo(つなぐ)≫https://www.mds.ne.jp/tsunagoo/
LINEやメールで受け取った訃報から、直接香典や供花を送ることができるサービスです 。多くの葬儀社で導入されています 。
スマート葬儀≫https://smartsougi.jp/
香典のキャッシュレス決済はもちろん、葬儀のライブ配信や返礼品の手配まで、オンラインで一元管理できるクラウドシステムです 。
@葬儀(アットソウギ)≫https://at-sougi.com/
訃報のWEB案内、香典のオンライン決済、思い出の写真共有などが可能なサービスです 。
PreSol『HiKARI』≫https://presol.co.jp/solution/hikari.html
香典、弔電、供花などをオンラインでクレジットカード決済できるシステムです 。
しかし、自社サイトでオンライン香典への対応を公表している、あるいは導入システムの事例として紹介されている主な葬儀社には以下のような企業があります。
オンライン香典に対応している主な葬儀社・ブランド
オンライン香典に対応している葬儀社は、特定の数社に限定されるわけではなく、専門のオンラインシステムを導入することで全国的に増加しています 。そのため、網羅的な一覧を提示することは難しいのが現状です。
しかし、自社サイトでオンライン香典への対応を公表している、あるいは導入システムの事例として紹介されている主な葬儀社には以下のような企業があります。
| 葬儀社名 | 備考 |
|---|---|
| 公益社:https://www.koekisha.co.jp/ | オンライン葬儀サービスを提供 |
| メモリアルアートの大野屋:https://www.ohnoya-funeral.com/ | オンラインでの参列・香典に対応 |
| 日比谷花壇 :https://hibiya.co.jp/ | オンラインシステムを導入 |
| 和光葬儀社 :https://www.wakousougisya.com/ | 「@葬儀」システムを導入し、広域で対応 |
| メモリード:https://kanto.memolead.co.jp | オンライン葬儀サービス「HiKARI」などを導入 |
| 株式会社セレモニー:https://www.sougi.info/ | 「スマート葬儀」の導入事例として紹介 |
| 東京祭典:https://tokyosaiten.com/ | 訃報・香典サービス「tsunagoo」を導入 |
| 横浜セレモ株式会社:https://yokohama-ceremo.com/ | 訃報・香典サービス「tsunagoo」を導入 |
| 東京博善:https://www.tokyohakuzen.co.jp/ | オンライン葬儀に対応 |
失礼にならない?オンライン香典のマナーと注意点
とはいえ、最も気になるのは「マナー違反にならないか?」という点でしょう。ここでは、オンライン香典に関するよくある疑問にお答えします。
Q1. そもそもオンラインで送るのは失礼?
A. 喪家が案内している限り、全く失礼にはあたりません。
大前提として、オンライン香典は「受け取る側(喪家)」がその仕組みを導入し、会葬者へ案内している場合にのみ利用できるものです。
喪家が「オンラインで受け付けます」と意思表示をしているわけですから、会葬者がその方法で送ることは、むしろ喪家の意向に沿った丁寧な対応と言えます。むしろ、参列もせず、弔意も伝えないことの方が失礼にあたる可能性があります。
Q2. 金額の相場は?
A. 通常の香典の相場と同じです。
オンラインだからといって金額を変える必要はありません。故人との関係性に応じた従来の相場を目安にしましょう。
| 故人との関係 | 金額相場(目安) |
| 両親・義両親 | 5万円~10万円 |
| 祖父母 | 1万円~3万円 |
| 兄弟・姉妹 | 3万円~5万円 |
| 友人・知人 | 5,000円~1万円 |
| 会社関係(上司・同僚) | 5,000円~1万円 |
Q3. システム利用料(手数料)は誰が払う?
A. サービスによりますが、「送る側」が負担するケースが多いです。
オンライン香典のサービスでは、決済手数料やシステム利用料が発生します。
この手数料が、「香典の金額に上乗せして送る側が支払う」ケースと、「送った香典の金額から手数料が差し引かれて喪家に届く」ケースがあります。
多くの場合、**送る側が数百円程度の手数料を負担する(例:香典5,000円+手数料300円=合計5,300円の支払い)**ことが一般的です。決済画面で必ず明細が表示されますので、確認しましょう。
Q4. 香典袋や新札のルールは?
A. オンラインのため、一切不要です。
香典袋、薄墨、新札を避けるといった物理的なマナーは、オンライン香典では気にする必要がありません。その手軽さが、オンライン香典の最大の利点の一つです。
まとめ:オンライン香典は失礼にあたらない便利な選択肢
この記事では、遠方にお住まいの場合や、やむを得ない事情で葬儀に参列できない際に役立つ「オンライン香典」の送り方について、失礼にならないためのマナーや金額の相場もあわせて網羅的に解説しました 。
葬儀社が提供する専用の決済サービスを利用する方法 、現金書留で郵送する従来ながらも確実な方法 、そしてLINE Payなどの送金サービスを使う場合の注意点まで、具体的な手順を詳しく紹介しています 。
香典を送る際は、故人との関係性に応じた金額の相場を守るとともに、お悔やみのメッセージを添えるといった心遣いが大切です 。
本記事で解説したポイントを参考に、どのような状況でも慌てることなく、故人を偲び、ご遺族に寄り添う気持ちを確実にお届けいただければ幸いです。
