大切な家族が自宅で息を引き取っている、あるいは冷たくなっているのを見つけた時、誰でも頭が真っ白になってしまうものです。「救急車を呼ぶべき?」「警察?」「お医者さん?」と混乱するのは当たり前です。
この記事では、家族が自宅で亡くなった際に「誰に」「どの順番で」連絡すべきかを、フローチャートのように分かりやすく解説します。
もし今まさにその場に直面しているなら、深呼吸を一つして、最初の項目から読み進めてください。やるべきことは決まっていますので、一つずつ確認していきましょう。
自宅で家族が亡くなった時の連絡先は?状況別フローチャート
家族が自宅で亡くなった場合、最初に連絡する相手は「かかりつけ医がいるかどうか」で決まります。普段から定期的に診察を受けていたかどうかが、判断の分かれ目です。
焦ってしまう気持ちは痛いほどわかりますが、間違った連絡先に電話してしまうと、その後の手続きが複雑になったり、警察による長時間の事情聴取が必要になったりします。まずは以下のどちらに当てはまるかを確認してください。
かかりつけ医がいる場合はすぐに「主治医」へ電話する
故人が病気療養中であったり、在宅医療(訪問診療)を受けていたりした場合は、24時間いつでも、迷わず主治医(かかりつけ医)に連絡してください。
これは、医師が普段の病状を把握しており、診察の結果「病気による自然死」と判断できれば、その場で死亡確認と診断書の発行ができるからです。診療時間外や深夜であっても遠慮はいりません。多くの在宅医は緊急時の連絡先を家族に伝えているはずです。
もし気が動転していても、電話では以下の3点を落ち着いて伝えましょう。
- 誰が(患者の名前)
- どうなったか(呼吸が止まっている、冷たくなっているなど)
- いつ気づいたか(今朝起きたら、先ほど様子を見たらなど)
この時、慌てて救急車(119番)を呼ぶのは原則としてNGです。救急隊は「救命」が仕事なので、蘇生処置を行いながら病院へ搬送することになります。そうなると「自宅で静かに看取りたい」という本人の希望や家族の準備が叶わなくなるだけでなく、警察の介入が必要になるケースも出てくるからです。
24時間対応の在宅医と連絡がつかない時の対処法
深夜や早朝に連絡した場合、ごく稀に主治医とすぐに電話がつながらないことがあります。そんな時でも、「どうしよう!」とパニックになって救急車を呼ぶのは少し待ってください。
まずは、契約時に受け取っている書類やパンフレットを確認し、緊急連絡先が別に記載されていないか探しましょう。多くのクリニックでは、医師に繋がらない場合の「バックアップ連絡先(連携している訪問看護ステーションなど)」を用意しています。
それでも繋がらない場合は、以下の手順で行動します。
- 留守番電話に「名前」「状態」「折り返しほしい旨」を吹き込む。
- 訪問看護師に来てもらっている場合は、訪問看護ステーションへ連絡する。
- 5〜10分おきに何度かかけ直す(医師が処置中などで出られないだけの場合も多いです)。
かかりつけ医がいない場合は迷わず「警察」へ連絡する
普段病院にかかっていない元気な家族が突然亡くなっていた場合や、かかりつけ医がいない場合は、直ちに警察(110番)へ連絡してください。
「身内が亡くなったのに警察なんて…」と抵抗を感じるかもしれませんが、これは法律で決まっているルールです。医師の管理下にない場所での死は、法的には「異状死」として扱われ、事件性がないかどうかを確認する必要があるのです。
警察に電話をするときのポイントは以下の通りです。
- 「家族が自宅で亡くなっている」と端的に伝える。
- 警察官が到着するまで、絶対に遺体に触れたり動かしたりしない(これが最も重要です)。
- 救急車を呼んで到着した救急隊員が「明らかに死亡している」と判断した場合も、そのまま警察へ引き継がれます。
かかりつけ医がいる場合の連絡と死亡確認の流れ
主治医と連絡がついたら、医師が自宅へ到着するのを待ちます。この時間は、家族だけで過ごせる最後の静かな時間になるかもしれません。医師が到着した後の流れを知っておくことで、落ち着いて対応できます。
医師が到着して死亡確認を行うまでの手順
医師が到着すると、医学的な見地から「死亡確認」が行われます。これが、故人の人生の幕が下りたことを公的に認める瞬間です。
具体的には、医師が以下の3点を確認します。これを「死の三徴候」と呼びます。
- 瞳孔の散大・対光反射の消失(目に光を当てても反応がないか)
- 呼吸の停止(胸の動きや呼吸音がないか)
- 心拍の停止(聴診器で心音が聞こえないか)
これらが確認されると、医師は時計を見て「〇月〇日 〇時〇分、ご臨終です」と告げます。ドラマのようなシーンですが、実際はとても静かで厳かなものです。この時、家族は医師の指示に従って見守るだけで大丈夫です。質問があれば、確認が終わった後にゆっくり聞くことができます。
危篤状態や蘇生の可能性がある場合の救急車利用
もし家族を発見した時に「まだ体が温かい」「うっすらと呼吸をしている気がする」といった場合は、かかりつけ医ではなく迷わず救急車(119番)を呼んでください。
「看取り」の準備をしていたとしても、ごく稀に蘇生の可能性があるケースや、家族が「どうしても助けたい」と強く願う場合は救命措置が優先されます。ただし、一度救急車を呼んでしまうと、救急隊員は法律上、心肺停止状態であっても蘇生措置を行いながら病院へ搬送する義務があります。
結果として、以下のような状況になることを理解しておきましょう。
- チューブや点滴などが繋がれ、医療機器に囲まれた最期になる可能性がある。
- 搬送先の病院で亡くなった場合、その病院の医師による死亡診断となる。
- 「穏やかに自宅で」という当初の計画とは異なる形になることが多い。
医師から「死亡診断書」を受け取るタイミングと枚数
医師による死亡確認が終わると、その場で(あるいは一度診療所に戻ってから)「死亡診断書」が発行されます。これは今後の火葬や役所手続きで絶対に必要になる最重要書類です。
費用は医療機関によって異なりますが、一般的に3,000円〜1万円程度です。夜間の往診などの場合は加算されることもあります。この書類は1枚だけでなく、役所への提出用や保険請求用などで複数枚必要になることが多いです。
必要な枚数の目安は以下の通りです。
- 原本1通(役所への死亡届提出用)
- コピー(生命保険の請求、銀行口座の凍結解除、勤務先への提出など)※原本は役所に提出すると戻ってこないので、提出前に必ず5枚ほどコピーをとっておくか、医師に「診断書を〇通ください」と依頼しておきましょう。
かかりつけ医がいない場合は警察へ連絡!検視と死体検案書
「朝起きたら冷たくなっていた」「お風呂場で倒れていた」など、予期せぬ突然死で警察を呼んだ場合、その後の流れは通常の病死とは大きく異なります。
警察官や検視官が自宅に来ることになりますが、これは決してあなたを疑っているわけではありません。「死因をはっきりさせるための必要な手続き」と割り切って対応しましょう。
警察官と検視官が自宅に来て行う「検視」の内容
警察に連絡すると、制服の警察官だけでなく、私服の刑事や「検視官」と呼ばれる専門の警察官が到着します。彼らの仕事は、遺体の状況を調べて「事件性(他殺など)がないか」を判断することです。
これを「検視(けんし)」と言います。家族にとっては辛い時間かもしれませんが、以下のようなことを聞かれます。
- 発見時の状況(誰が、いつ、どこで見つけたか)
- 故人の既往歴(どんな病気を持っていたか、通院歴など)
- 直前の様子(最後に会ったのはいつか、変わった様子はなかったか)
また、家の中にある薬袋(おくすり手帳)や通院カードなどを確認されることもあります。これらは死因特定の手がかりになるため、見せられるように準備しておくとスムーズです。
事件性がないと判断された後の「死体検案書」発行
検視の結果、事件性がないと判断されれば、警察医(監察医)によって**「死体検案書(したいけんあんしょ)」**が作成されます。
名前は違いますが、法的な効力は医師が書く「死亡診断書」と全く同じです。これがないと火葬も埋葬もできません。ただし、死因がどうしても特定できない場合や、不審な点がある場合は、より詳しく調べるために「解剖」が必要になることもあります。
死体検案書が発行されるまでの流れは以下の通りです。
- 検視により事件性なしと判断される。
- 警察が手配した医師(警察医)が検案を行う。
- 死因が特定され、死体検案書が発行される。
- これでようやく警察の介入が終わり、遺体を動かしたり、葬儀社へ連絡したりできるようになります。
検視にかかる時間の目安と家族の待機場所
警察が到着してから検視が終わるまでの時間は、状況にもよりますが半日程度かかることも珍しくありません。
その間、家族は遺体のある部屋には入れず、別の部屋や屋外で待機するように指示されることが一般的です。自分の家なのに自由に行動できないのはストレスが溜まりますが、現場保存のため協力しましょう。
待機中の注意点は以下の通りです。
- トイレなどで席を外す際は警察官に声をかける。
- 食事などはとっても構わないが、ゴミなどは勝手に捨てない。
- 質問されたら、隠さずにありのままを答える(嘘をつくと調査が長引きます)。
警察が来るまでに「やってはいけない」3つの行動
警察を呼ぶことになった場合、警察官が到着するまでに「絶対にやってはいけないこと」が3つあります。
これらを行ってしまうと、証拠隠滅を疑われたり、検視の時間が大幅に延びたりして、家族自身がさらに辛い思いをすることになります。良かれと思ってしたことが裏目に出ないよう、必ず守ってください。
遺体を動かしたり姿勢を変えたりすることは厳禁
「床で倒れていて寒そうだから」「変な姿勢で苦しそうだから」と、布団へ運んだり姿勢を直してあげたくなりますが、これは絶対にダメです。
遺体の位置や姿勢は、倒れた原因や状況を知るための最大の証拠です。動かしてしまうと、当初の状況がわからなくなり、警察は「なぜ動かしたのか?」「何か隠したいことがあるのでは?」と慎重にならざるを得ません。
心を鬼にして、発見したそのままの状態をキープしてください。
- 抱き起こさない。
- 枕を入れたりしない。
- 服を整えたりしない。
ドライアイスや保冷剤で遺体を冷やしてはいけない理由
遺体が傷まないように冷やしてあげたいと思うのが家族の情ですが、警察が介入する場合はドライアイスや保冷剤の使用も禁止です。
理由は、遺体の体温が「死亡推定時刻」を割り出すための重要なデータになるからです。冷やしてしまうと体温の下がり方が不自然になり、いつ亡くなったのかを特定するのが難しくなります。
また、ドライアイスによる凍傷や変色が、事件によるアザと見間違われるリスクもあります。
- 夏場であっても、警察の許可が出るまでは冷やさない。
- エアコンで部屋の温度を下げる程度なら問題ない場合が多いですが、念のため警察の指示を仰ぎましょう。
部屋の片付けや窓の開閉を行わない(現場保存)
部屋が散らかっていると「警察の人に見られるのは恥ずかしい」と思って片付けたくなるものですが、現場の掃除や整理整頓もNGです。
テーブルの上の飲みかけのコップ、ゴミ箱の中身、散らばった書類、薬の殻など、全てが情報の宝庫です。また、窓を開けて換気をすることも、室内の臭いや温度を変えてしまうため避けましょう。
とにかく「何もしない」のが正解です。
- ゴミを捨てない。
- 窓を開けない。
- 家具を動かさない。
死亡診断書と死体検案書の違いは?費用と受け取り方
「死亡診断書」と「死体検案書」。どちらも人が亡くなったことを証明する書類ですが、受け取り方や費用には大きな違いがあります。
特に費用面では、死体検案書の場合に予想外の出費となることが多いため、あらかじめ現金の準備をしておくと安心です。
死亡診断書と死体検案書の法的な効力の違い
まず結論から言うと、この2つの書類の法的な効力に違いはありません。どちらも「死亡届」と一緒に役所に提出し、火葬許可をもらうために不可欠な書類です。
違いは「誰が」「どんな経緯で」書いたかだけです。
- 死亡診断書: 診療中の病気で亡くなり、かかりつけ医が書いたもの。
- 死体検案書: 診療外の死(事故死、突然死など)で、警察扱いの医師(監察医など)が検視・検案して書いたもの。
書式もほとんど同じ(多くは1枚の紙に両方の様式が印刷されています)なので、役所手続き上の扱いは変わりません。
死体検案書の発行費用が数万円と高額になる理由
注意が必要なのが費用です。かかりつけ医の死亡診断書が数千円〜1万円程度なのに対し、死体検案書は3万円〜10万円程度とかなり高額になる傾向があります。
これは、単なる書類代だけでなく、以下のような費用が含まれるためです。
- 検案料(医師が死因を特定するための技術料)
- 遺体の搬送費用(検案のために警察署や大学病院へ運んだ場合)
- 保管料などの諸経費
この費用は、原則として遺族がその場で、あるいは後日現金で支払う必要があります。突然の出費になりますが、支払わないと書類を受け取れないため注意が必要です。
保険請求や手続きに必要な発行部数の目安
書類を受け取ったら、必ずコピーを取ってください。原本は役所に提出してしまうと二度と手元に戻ってきません。
今後の手続きで「死亡したことの証明」として以下の場所で必要になります。
- 市区町村役場: 原本1通(死亡届として提出)
- 生命保険会社: 原本またはコピー(保険金の請求)
- 銀行・金融機関: コピー(口座の名義変更・解約)
- 年金事務所: コピー(遺族年金の手続き)
- 勤務先: コピー(忌引休暇の申請、退職手続き)
医師や警察にお願いすれば複数枚発行してもらえますが、1枚ごとに料金がかかる場合もあります。まずは原本を1通もらい、コンビニなどで5枚〜10枚ほどコピーをとっておくのが経済的でおすすめです。
葬儀社へ連絡するタイミングと自宅での遺体安置
医師による死亡確認、あるいは警察の検視が終わり、書類(死亡診断書または死体検案書)の目処が立ったら、いよいよ葬儀社へ連絡します。
ここからは、慌ただしかった医療・警察の手続きから、家族で故人を送るための準備へと切り替わります。
医師の死亡確認または警察の許可が出た後に電話する
葬儀社への電話は、「あとは葬儀屋さんに任せて大丈夫」という許可が出たタイミングで行います。
具体的には以下の通りです。
- かかりつけ医の場合: 死亡診断書を受け取った直後。
- 警察の場合: 検視が終わり、「遺体を動かしても良い」と指示が出た後。
多くの葬儀社は24時間365日対応しており、深夜でも早朝でも電話一本で駆けつけてくれます。「まだどこの葬儀社にするか決めていない」という場合でも、まずは「遺体の搬送と安置だけ」を依頼することも可能です。焦って契約する必要はありません。
自宅で遺体を安置する場合の布団や部屋の準備
葬儀社のスタッフが到着するまでの間に、自宅で遺体を安置する場所を整えておきましょう。
故人がゆっくり休めるよう、以下の準備をしておくとスムーズです。
- 部屋の片付け: 担架や棺が入れるよう、玄関から部屋までの通路を確保する。
- 布団の準備: 清潔なシーツや布団を用意する(敷布団だけでOK)。
- 室温の管理: 遺体が傷まないよう、冷房を入れて部屋を涼しくする(冬場は暖房を切る)。
「北枕(頭を北に向ける)」にするのが一般的ですが、部屋のレイアウト的に難しければこだわらなくても大丈夫です。まずは故人を寝かせてあげられるスペースを作ることが最優先です。
遺体搬送を依頼する際に葬儀社へ伝えるべき情報
葬儀社に電話をかけた際、スムーズに迎えに来てもらうために以下の情報を伝えましょう。メモを手元に用意しておくと安心です。
- 故人の名前と住所
- 現在の状況(自宅で亡くなった、警察の検視が終わった等)
- 遺体の状態(身長や体重など。大きな棺が必要かどうかの判断のため)
- 連絡者の名前と電話番号
特に「警察が介入したかどうか」は重要です。警察署に遺体がある場合は、迎えに行く場所が自宅ではなく警察署になるからです。
死亡届の提出から火葬許可証発行までの手続き
葬儀社が決まり、日程の打ち合わせが進んだら、最初に行う行政手続きが「死亡届」の提出です。これを済ませないと、火葬を行うことができません。
基本的には葬儀社のスタッフが代行してくれることが多いですが、内容の確認や責任は家族にあります。
死亡届の提出期限は「7日以内」に厳守する
死亡届には厳格な提出期限があります。**「死亡の事実を知った日から7日以内」**に必ず提出しなければなりません。
もしこの期限を過ぎてしまうと、戸籍法違反として過料(罰金のようなもの)を科される可能性があります。また、死亡届が出されないと戸籍から除籍されず、いつまでも「生きている」ことになってしまいます。
- 国内での死亡:7日以内
- 国外での死亡:3ヶ月以内
死亡地・本籍地・住所地など提出できる役所の場所
死亡届はどこの役所でも出せるわけではありません。提出できるのは以下のいずれかの市区町村役場に限られています。
- 死亡地: 亡くなった場所の役所
- 本籍地: 故人の本籍がある役所
- 届出人の住所地: 申請者(喪主など)が住んでいる場所の役所
一般的には、葬儀を行う場所に近い役所や、手続きに行く家族の住まいの近くの役所を選ぶのが便利です。夜間や休日でも「時間外窓口(守衛室など)」で受け付けてくれます(ただし、火葬許可証の発行は後日になる場合があるので確認が必要です)。
火葬許可証がないと火葬ができない仕組み
死亡届が無事に受理されると、その場で**「火葬許可証(埋葬許可証)」**が発行されます。
これは非常に重要な書類です。なぜなら、火葬場の職員はこの許可証を確認しない限り、絶対に遺体を火葬してはいけない決まりになっているからです。
- 発行されたら、葬儀社の担当者に預けるか、骨壷を入れる箱の中に一緒に入れておくのが一般的です。
- 火葬が終わると、「火葬済」の印が押されて返却されます。これは後日、お墓に納骨する際に必要になるので、絶対に無くさないでください。
期限はいつまで?年金や保険など役所関係の解約手続き
葬儀が無事に終わり、ほっと一息つきたいところですが、ここからが「手続きの本番」です。役所や民間の契約など、やるべきことは山積みです。
特に期限が決まっているものから優先的に片付けていきましょう。ここでは「14日以内」が一つの目安になります。
世帯主変更届や健康保険証の返却期限(14日以内)
役所関係の手続きの多くは、死亡から14日以内が期限です。
まず確認すべきは「世帯主」です。亡くなった方が世帯主だった場合、新しい世帯主を決めて「世帯主変更届」を出す必要があります(残された家族が一人だけの場合は不要)。
また、健康保険証の返却も重要です。
- 国民健康保険: 14日以内に「資格喪失届」を提出し、保険証を返却します。葬儀を行った人が受け取れる「葬祭費(3〜7万円程度)」の申請も同時に行いましょう。
- 後期高齢者医療制度: 75歳以上の方も同様に、14日以内に資格喪失の手続きを行います。
- 会社の健康保険: 勤務先の担当部署に連絡し、指示に従って返却します(通常は5日以内など早めの対応が求められます)。
国民年金と厚生年金の受給停止手続きの違い
年金を受けていた方が亡くなった場合、「受給停止」の手続きをしないと、亡くなった後も年金が振り込まれ続けてしまいます。これを放置して使い込んでしまうと、後で一括返還を求められるだけでなく、不正受給として罪に問われることもあります。
期限と提出先が違うので注意してください。
- 国民年金(自営業など): 死亡から14日以内に役所または年金事務所へ。
- 厚生年金(会社員など): 死亡から10日以内に年金事務所へ。
※マイナンバーと年金番号が紐づいている場合は、死亡届を出すだけで自動的に停止されることもありますが、念のため年金事務所へ確認することをおすすめします。
公共料金や携帯電話の解約・名義変更リスト
役所の手続きと並行して進めたいのが、生活インフラの解約や名義変更です。これらは自動では止まりません。連絡しない限り、基本料金が口座から引き落とされ続けてしまいます。
リストを作って、一つずつ電話やネットで手続きしていきましょう。
- 電気・ガス・水道: 名義変更または解約。
- 携帯電話・スマホ: 解約(ショップに行く必要がある場合が多いです。端末代の残債がないかも確認)。
- インターネット・固定電話: 解約または名義変更。
- クレジットカード: 解約(ポイントが残っていないか確認してから)。
- NHK受信料: 世帯消滅の連絡または名義変更。
この記事のまとめ
家族が自宅で亡くなるという事態は、誰にとっても大きな衝撃です。「どうすればいいかわからない」と立ち尽くしてしまうのは、あなたが弱いからではありません。
最後に、これからの行動のポイントを整理します。
- かかりつけ医がいる場合: すぐに主治医へ電話する。救急車は呼ばない。
- かかりつけ医がいない場合: 警察(110番)へ連絡し、遺体には一切触れない。
- 死亡確認書類: 医師なら「死亡診断書」、警察なら「死体検案書」をもらう。
- 葬儀社への連絡: 書類が発行され、医師や警察の許可が出てから行う。
- 期限付きの手続き: 死亡届は7日以内、年金や保険は10〜14日以内を目安に。
- まずはコピー: 死亡診断書を受け取ったら、役所に出す前に必ず5〜10枚コピーをとる。
今は目の前のことで手一杯かもしれませんが、一つずつ手順を踏めば必ず落ち着く時が来ます。周りの人や専門家の力を借りながら、無理せず進めていってくださいね。
