六文銭を自分で作る方法は?棺に入れる意味や正しい使用方法を解説!

葬儀の知識
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葬儀の準備をしているとき、「棺に入れる六文銭(ろくもんせん)がない!」と焦ってしまうことは意外と多いものです。

最近は葬儀社が用意してくれることもありますが、プランに含まれていなかったり、急なことで手元になかったりすることもありますよね。

でも、安心してください。六文銭は必ずしも本物である必要はなく、紙を使って自分で作ったもので十分です。むしろ、故人への想いを込めて手作りする方が、心のこもったお見送りになると考える方も増えています。

この記事では、自宅にあるもので簡単に六文銭を作る方法から、棺への正しい入れ方、そして「なぜ入れるのか」という本来の意味まで、やさしく解説します。

最後のお別れで後悔しないよう、一緒に確認していきましょう。

六文銭を自分で作る3つの具体的な方法

「売っているものじゃないとダメ?」と不安になるかもしれませんが、そんなことはありません。

大切なのは「三途の川を無事に渡ってほしい」という気持ちです。

ここでは、誰でもすぐに実践できる、紙を使った具体的な作成方法を3つ紹介します。

パソコンで「無料テンプレート」を印刷して切り抜く

パソコンとプリンターがあるなら、インターネット上の無料素材を活用するのが一番手軽できれいな方法です。

「イラストAC」や画像作成ツールの「Canva」などで「六文銭 イラスト」と検索すると、たくさんの画像が見つかります。これらを印刷して、ハサミで丸く切り抜くだけで立派な六文銭が完成します。

このとき、ただのコピー用紙ではなく、少し厚みのある紙や「和紙」に印刷するのがポイントです。

ペラペラの紙よりも、和紙特有のザラつきや厚みがある方が、本物のお金に近い厳かな雰囲気が出るからです。文房具店や100円ショップで売っている、インクジェット対応の和紙や、少し黄みがかったクリーム色の用紙を使うと、より本格的な仕上がりになりますよ。

  • おすすめの素材サイト: イラストAC、いらすとや、Canva
  • 適した用紙: 印刷用和紙、クラフト紙、厚手の画用紙
  • 印刷設定: 「きれい」モードで印刷すると文字がくっきりします

画用紙や和紙を使って「手書き」で想いを込める

プリンターがない場合や、もっと手作り感を出したい場合は、手書き作成がおすすめです。

白い厚紙やボール紙を丸く切り抜き、その中に筆ペンやマジックで「六文」という文字や、銭の穴を表す四角形を描き込みます。形が少し歪んでいても、それがかえって「家族の手作り」という温かみになります。

また、必ずしも昔のお金の絵柄を真似る必要はありません。

紙の裏側に「ありがとう」「また会おうね」といった故人への短いメッセージを書き添えるのも素敵です。お孫さんが絵を描いたり、家族みんなで一枚ずつ文字を書いたりすれば、世界に一つだけの特別な贈り物になります。

  • 用意するもの: 厚紙(お菓子の箱の裏でも可)、コンパスまたは丸いコップ、筆ペン
  • 書く内容: お金の絵柄、感謝の言葉、家族の名前
  • ポイント: 鉛筆よりも、濃くはっきり書ける筆ペンやサインペン推奨

100円ショップの「燃える素材」を使った工作アイデア

100円ショップの工作コーナーにある材料を使えば、さらに見栄えの良いものが作れます。

例えば、木目調の折り紙や、金色や銅色の画用紙(千代紙)を使うと、金属の質感に近い六文銭が作れます。これらを段ボールなどの厚紙に貼り付けてから切り抜くと、しっかりとした重厚感が出ます。

ただし、材料選びには絶対に守らなければならないルールがあります。

プラスチック製品や、燃えにくい素材(金属パーツなど)は絶対に使わないようにしてください。これらを棺に入れてしまうと、火葬の際に有害ガスが出たり、遺骨を汚してしまったりする原因になります。「紙」や「木」など、完全に燃え尽きる素材だけを選びましょう。

  • 使える素材: 色画用紙、千代紙、段ボール、薄い木材(バルサ材)
  • 避けるべき素材: プラスチック粘土、ラメ入りの糊、金属製のシール
  • コツ: 6枚バラバラにならないよう、紙縒り(こより)で束ねると本格的です

失敗しない六文銭の正しい使用方法と入れる場所

六文銭を用意できたら、次は「いつ、どこに入れるか」が重要になります。

適当に棺の中に放り込むのではなく、昔からの作法に沿って入れてあげることで、旅立ちの準備が整います。

ここでは、一般的なマナーとタイミングについて解説します。

基本は死装束の「頭陀袋」の中に納める

最も正式な場所は、故人の首から下げる「頭陀袋(ずだぶくろ)」の中です。

頭陀袋とは、白装束(死装束)の一つで、お遍路さんが持っているような布製の小さなバッグのことです。この袋は「あの世への旅に必要な道具入れ」としての役割を持っています。

もし頭陀袋が見当たらない場合や、洋服(スーツやドレスなど)で旅立つ場合は、無理に首にかける必要はありません。

その場合は、懐紙(かいし)や白い封筒に六文銭を包み、故人の胸元や着物の袂(たもと)に入れてあげるのがスマートです。大切なのは「旅の途中で落とさないように持たせてあげる」という配慮です。

  • 入れる場所: 頭陀袋(首から下げる袋)が第一候補
  • 袋がない場合: 胸ポケット、両手の間、着物の袖
  • 注意点: 遺体の顔の上や、極端に足元には置かない

納棺の儀式で「遺族の手」によって棺に入れる

六文銭を入れるベストなタイミングは、通夜の前などに行われる「納棺の儀(のうかんのぎ)」の最中です。

納棺師(のうかんし)さんが故人の身支度を整え、最後に旅立ちの衣装を着せるときに、「これを持たせてあげましょう」と促されることが一般的です。

このとき、できれば葬儀社のスタッフ任せにせず、ご遺族の手で入れてあげてください。

「これで迷わず行ってらっしゃい」「向こうでも困らないようにね」と声をかけながら納めることで、遺された家族にとっても心の整理をつける大切な儀式になります。

  • タイミング: 納棺の儀式の最中、または出棺の直前
  • 誰がやるか: 喪主や、故人と縁の深かった家族
  • 流れ: 死装束を着せる → 最後に六文銭や数珠を持たせる

葬儀社のスタッフに事前に渡しておくべきタイミング

もし、どうしても納棺の儀式に立ち会えない場合や、手作りが間に合わなかった場合はどうすれば良いでしょうか。

そのときは、完成した六文銭を葬儀社の担当スタッフに預け、「棺の中に一緒に入れてください」とお願いしておきましょう。

ただし、告別式の最後、棺の蓋を閉じる直前(お花入れの時間)だと、バタバタしていて入れ忘れてしまうリスクがあります。

遅くとも通夜が始まる前までにはスタッフに渡し、確実に頭陀袋や棺の中に入れてもらうよう確認をとるのが確実です。

  • 渡す相手: 葬儀担当者、または納棺師
  • 期限: できれば通夜の前まで、遅くとも告別式の開式前
  • 伝え方: 「手作りの六文銭なので、必ず持たせてあげたいです」と一言添える

本物の硬貨を棺に入れてはいけない2つの理由

「作るのが面倒だから、財布にある10円玉や5円玉じゃダメなの?」

そう思う方もいるかもしれませんが、これは絶対にNGです。

多くの火葬場で「現金の副葬品」は明確に禁止されています。その理由を具体的に知っておきましょう。

火葬炉の故障や「遺骨への汚れ・付着」を防ぐ

現在の硬貨(10円玉や100円玉など)は、銅やニッケルなどの金属で作られています。

火葬炉の中は800度〜1200度という高温になりますが、硬貨が溶けるとドロドロになり、火葬炉のバーナーや台車に付着して故障の原因になります。

さらに遺族として一番悲しいのは、溶けた金属がご遺骨にこびりつき、骨が黒や緑に変色してしまうことです。

きれいに骨を残してあげたいと願うなら、金属類は一切入れないのが鉄則です。「たかが数枚の硬貨」と思わず、紙製を用意する理由がここにあります。

  • 火葬炉への影響: 設備の故障、緊急停止のリスク
  • お骨への影響: 異物の付着、変色(ピンクや緑色になることも)
  • 収骨時の問題: 溶けた金属とお骨の区別がつかなくなる

法律上の「貨幣損傷等取締法」に触れるリスク

実は、物理的な問題だけでなく、法律の問題もあります。

日本の法律には「貨幣損傷等取締法」というものがあり、流通している硬貨(貨幣)を故意に溶かしたり、壊したりすることは禁じられています。

これに違反すると、「1年以下の懲役又は20万円以下の罰金」という罰則が科される可能性があります。

「葬儀だから」という事情があっても、法律上は違法行為とみなされる恐れがあるのです。故人を送る神聖な儀式で、法に触れるような行為は避けるべきです。

  • 法律名: 貨幣損傷等取締法
  • 禁止行為: 貨幣を鋳つぶす(溶かす)こと、損傷すること
  • 対象: 現在日本で使える硬貨すべて(1円〜500円玉)

どうしても本物を持たせたい場合の「骨壺」という選択肢

「故人はお金が好きだったから、どうしても本物を持たせてあげたい」

その気持ちが強い場合は、火葬が終わったあとに持たせる方法があります。

それは、収骨(お骨上げ)が終わったあとの「骨壺」の中に、本物の硬貨を入れるというやり方です。

火葬が終わってしまえば、硬貨が溶ける心配も、法律に触れる心配もありません。

お骨の上にそっと10円玉や500円玉を添えて蓋をすれば、誰にも迷惑をかけずに本物を持たせてあげることができます。この方法なら、故人の希望も、社会的なルールも両方守ることができます。

  • 入れるタイミング: 火葬が終わり、骨壺にお骨を収めた後
  • 入れる場所: お骨の一番上
  • 注意点: 骨壺がいっぱいの場合は無理に入れない

なぜ棺に入れる?六文銭が持つ歴史的な意味

そもそも、なぜ死者に「お金」を持たせるのでしょうか?

この風習には、日本人が昔から大切にしてきた「死後の世界」への願いが込められています。

ただの形式だと思わずに意味を知ると、手作りする際にもより深く気持ちを込められるはずです。

三途の川を安全に渡るための「船の渡し賃」

最も有名な由来は、あの世への入り口にある「三途の川(さんずのかわ)」の渡し船の運賃です。

仏教の言い伝えでは、人が亡くなると三途の川を渡ってあの世へ行くとされていますが、この川を安全に船で渡るためには「六文」のお金が必要だと言われています。

お金を持っていない死者は、船に乗せてもらえず、激流を泳いで渡らなければなりません。

「大切な家族が、あの世への道中で苦労しませんように」という、遺された人々の切実な親心や優しさが、この六文銭という形になっているのです。ちなみに、現代の価値に換算すると、六文は約200円〜300円程度だと言われています。

  • 目的: 三途の川の渡し船に乗るため
  • 持っていないと: 激流の「懸衣翁(けんえおう)」などの難所に追いやられる
  • 現代価値: 約300円前後(意外とリーズナブルです)

6つの世界の神様へ捧げる「お賽銭」としての役割

もう一つの説は、仏教における「六道(ろくどう)」に関連しています。

人は亡くなると、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の6つの世界のいずれかに生まれ変わるとされています。この6つの世界には、それぞれ人々を救うお地蔵様(地蔵菩薩)がいらっしゃいます。

六文銭は、この6人のお地蔵様それぞれにお渡しする「お賽銭」やお供え物であるという考え方です。

「どの世界に行っても、神様のご加護がありますように」という、救いを求める祈りが、6枚という枚数に込められているのです。

  • 六道の種類: 地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道
  • 誰に渡す?: 各世界を担当する6体のお地蔵様
  • 意味合い: 救済をお願いするためのご挨拶代

真田幸村の家紋に見る「死を覚悟した決意」の象徴

戦国武将・真田幸村(信繁)の家紋が「六文銭」であることは有名ですよね。

これは単なるデザインではなく、武士としての強烈なメッセージが込められています。

「いつ命を落としても、すぐに三途の川を渡れるよう銭は用意してある」=「いつでも死ぬ覚悟はできている」という、武士の不退転の決意を表していたのです。

葬儀においては、「この世への未練を断ち切り、迷わず成仏してほしい」という願いとも重なります。

ただのお金ではなく、あの世へ向かうための「パスポート」のような重要な意味を持っていることがわかります。

  • 家紋の主: 真田氏(真田幸村など)
  • 込められた意味: 決死の覚悟、不惜身命(ふしゃくしんみょう)
  • 現代の解釈: 迷わず旅立つための準備

宗教によって対応が違う?用意が不要なケース

ここまで六文銭の作り方や意味を解説してきましたが、実は「そもそも用意しなくていい」ケースもあります。

日本の仏教にはさまざまな宗派があり、考え方が全く異なる場合があるからです。

せっかく作っても使わなかった、とならないよう、事前に確認しておきましょう。

浄土真宗では「旅支度」を行わないのが一般的

最も注意が必要なのが、「浄土真宗(じょうどしんしゅう)」の葬儀です。

浄土真宗の教えでは、亡くなった人は阿弥陀如来(あみだにょらい)の力ですぐに極楽浄土へ導かれ、仏になるとされています。

つまり、「死出の旅」をする必要がないため、三途の川も渡りませんし、旅費である六文銭も不要という考え方です。

そのため、浄土真宗の葬儀では、白装束に頭陀袋、草履といった「旅支度」自体を行わないことが一般的です。

もし家の宗派が浄土真宗であれば、六文銭を用意する必要は基本的にありません。

  • 宗派: 浄土真宗(西本願寺派、大谷派など)
  • 教え: 即身成仏(亡くなってすぐに仏になる)
  • 結論: 旅支度や六文銭は原則不要

地域の風習や菩提寺の考え方を優先させる重要性

宗派だけでなく、住んでいる「地域」や、お世話になる「菩提寺(ぼだいじ)」の考え方によってもルールが変わります。

例えば、浄土真宗であっても「昔からの地域の風習だから」という理由で、形だけ旅支度を整えて六文銭を入れる地域も存在します。

逆に、他の宗派であっても、お寺の住職が「現代の葬儀では簡略化しましょう」と指導する場合もあります。

ネットの情報や一般論だけで判断せず、その土地や家のルールに従うのが一番の正解です。

  • 確認先: 親戚の年長者、地域の長老
  • よくあるケース: 宗派の教えよりも「地域の慣習」が優先される
  • 柔軟に: 「絶対」はないので、周りに合わせる姿勢が大切

迷った時は自己判断せず担当者に確認する

「うちはどの宗派だっけ?」「この地域はどうなんだろう?」と迷ったら、プロに聞くのが一番早くて確実です。

葬儀社の担当者は、その地域の風習や各寺院の考え方を熟知しています。

「手作りの六文銭を入れたいのですが、大丈夫ですか?」と素直に相談してみてください。

もし宗派的にNGだったとしても、「棺の隅にそっと入れるなら大丈夫ですよ」や「お守りとして骨壺に入れましょう」といった代替案を提案してくれるはずです。

一人で悩まず、詳しい人に頼ることで、安心して準備を進められます。

  • 相談相手: 葬儀社の担当スタッフ、またはお寺の住職
  • 聞くこと: 「六文銭を入れても問題ないか」「いつ渡せばいいか」
  • メリット: 後で「マナー違反だった」と後悔するのを防げる

この記事のまとめ

六文銭は、故人が迷わずにあの世へ旅立つための「お守り」のような存在です。

急に必要になったとしても、本物のお金を使うのではなく、手作りの紙製で十分その想いは伝わります。

  • 自作でOK: 無料テンプレートや手書きで、紙を使って簡単に作れます。
  • 本物はNG: 10円玉などの硬貨は、遺骨を汚したり火葬炉を壊したりするため絶対に入れないでください。
  • 入れる場所: 「頭陀袋」の中が基本ですが、なければ胸元や袖に入れてあげましょう。
  • タイミング: 納棺の儀式の際、家族の手で入れてあげるのが理想です。
  • 宗派に注意: 浄土真宗など、教えによっては不要な場合もあるので確認が必要です。

形が少し不格好でも、色が本物と違っても構いません。

「ありがとう、気をつけてね」というあなたの優しい気持ちこそが、故人にとって何よりの旅の支えになるはずです。

心を込めて作った六文銭で、あたたかく送り出してあげてくださいね。